標準物質生産者の認定とは、特定の種類の標準物質を生産する標準物質生産者の技術能力を決定する手段の一つです。また能力ある標準物質生産者の正式な承認であることから、顧客ニーズを満足する信頼性のある標準物質生産業務を識別し、選定するための簡便な手段を顧客に提供するものでもあります。
標準物質生産者の認定機関は、標準物質生産の能力に関する情報を含めた認定範囲と標準物質生産者の詳しい連絡先を認定標準物質生産者リストに公表しており、これは潜在的顧客に対して標準物質生産者の認定範囲の業務を紹介する手段となっています。
標準物質生産者の認定では、国際ガイドであるISO Guide34(標準物質生産者の能力に関する一般要求事項)の要求事項を認定基準として採用することが国際試験所認定協力機構 (International Laboratory Accreditation Cooperation, ILAC)で決められています。また、標準物質の生産に関わる試験・分析に関してはISO/IEC 17025(試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項)の要求事項に適合することが求められます。なお、医療分野において用いられる試験ではISO/IEC 17025をISO 15189(臨床検査室-品質と能力に関する要求事項)に置き換えてもよいことになっています。これらの基準は、各国の標準物質生産者の能力を決定する方法を統一化するのに役立っています。
本協会は、2011年9月30日に標準物質生産者の初めての認定を行いました。その後、本協会は2014年6月25日にAPLACの標準物質生産者に関する相互承認メンバーとして署名しています。